全仏オープンは7日目が終了し、錦織は4回戦ベスト16までやってきました。
3回戦のシモン戦は完璧とも言えるテニスで圧勝しましたが、次の相手はクレー巧者のドミニク・ティームです。
どちらかというとフラットなショットだったシモンとは違って、スピン系の重たいボールを片手バックハンドで打ってくるのがティームです。
錦織陣営も前の試合とは違う戦略で臨んでくるでしょう。
4回戦の相手はティーム
ドミニク・ティーム(オーストリア)
錦織の次の相手は、ドミニク・ティーム 24才です。
現在のランキングは8位。
2016年からこの2年間、TOP10に定着しています。
タイトル数は先週のリヨンの優勝で10タイトルになりました。
プレースタイルは片手バックハンドのパワースタイル。片手バックハンドというとバブリンカを思い出しますが、彼ほどバックの切れ味はない気がします。その代わり、フォアハンドのパワーは強烈です。
そのパワーを使ってベースライン後方からウィナーを取れる選手です。
今年クレー(マドリード)でナダルに勝ったこともあり、クレーでの勝率が高いクレーコーターだと思います。(本当はもっとハードでも活躍できそうなんですけどね・・)
こちらでその時の事を振り返っています。
この試合のティームは凄かったです。でもだからこそその後のサーシャとの決勝のパフォーマンスは残念すぎました。
ティームはこういうところが少し安定性に欠けるところがあります。
去年の夏以降のハードコートシーズンは惨憺たるものでした。怪我なのか疲労なのかモチベーションなのかわかりませんが・・・。
今年もティームはクレーで元気ですが、それでもちょっと取りこぼし的なものが目に付きます。
バルセロナでチチパスに負けたり、せっかくナダルに勝った後のマドリードの決勝でサーシャに負けたり。(サーシャが良かったというより、ティームがダメだった試合だと思う)
更にローマではフォニーニに相手に初戦敗退してしまいました。
それをカバーするために先週のリヨンで決勝に進み、優勝しています。決勝の相手はジル・シモンでした。
錦織 VS ティーム プレビュー
プレースタイルの違い
錦織とティームはこれまで2回対戦して錦織の2戦2勝です。2015年のハレ(グラス)と2016年のローマ(クレー)です。どちらも錦織が勝っています。
錦織は今までティームに負けたことはありません。
最後の対戦は2年前なので今とは立ち位置が逆転していますが、それもこれも錦織が怪我で休んでいたせいです。錦織が弱くなったわけではありません。
プレースタイル的には片手バックハンドと両手バックハンド対決だと思いますが、二人ともバックもフォアも強力なショットを持っています。
ティームが後方に構えてウィナーを叩き込んでくる攻撃型のクレーコーターで、錦織はベースライン上でライジング気味にボールをコントロールする攻撃型のオールラウンダーだと思います。
ティームは強いですが、実は速い展開が苦手に見えます。
以前インタビューでティームが「ジョコビッチのプレーが苦手。全てが速くて全く対応できない。僕にはお手上げだ。」と言ったのを読んだことがあります。
これはジョコビッチ自身が「自分とケイのプレーは似ている。」と言ったように、まさに錦織の事を言っているのと同じだと思います。
ティームはしっかり構えて打ち合える相手には強いと思いますが、早い展開を強いられることは好きではないんだと思います。ジョコビッチ同様、錦織のプレースタイルはティームに無理をさせることができると思います。
昨日のインタビューでティームが「残念なことに錦織は絶好調になってしまった。」と言いながらも「他のサーフェスに比べるとクレーでは自分に分がある。」と言っていたようです。
でも、錦織もクレーでめちゃくちゃ強いんですけど?w。
試合予想
ATPではポップコーン試合に認定w。
来ました!🍿試合!😆
錦織vsティームはまたもやポップコーン🍿が必要な試合
「2年ぶりにATPでもTOPフォームな2人の対決がセンターコートで実現!2人とも今期のクレーでマスターズ準優勝、全仏では2セットしか落としていない。2人の強烈なバックハンド対決が見もの!日曜日は花火が上がるだろう。」 https://t.co/8ZEksp2QPn
— Yuri (@yuri_lovesiames) 2018年6月3日
はっきり言って、私はこの対戦は錦織に分があると思います。
今まで負けてないこともそうですが、クレーでありとあらゆることができる錦織に比べて、ティームの引き出しは決して多くありません。
ティームは後ろに構えていることも多いので、ドロップは特に有効でしょう。アングルショットも良いと思います。
様々な球種を混ぜて、ティームを前後左右に振り回すことが必要だと思います。
後ろで打ち合ったらパワーでやられるかもしれませんが、錦織はライジングや前でプレーをすることでティームに時間を与えないようにすることができます。
また、ティームはシモン同様、先週のリヨンで決勝に進み優勝してますから、もうすでに2週間で7試合、戦いっぱなしです。疲労がたまっていることは十分考えられます。それを考慮してティームをいっぱい走らせたいです。
反対に錦織は調整もうまくいったようで、どんどん調子を上げていっています。
決して侮れない相手なのはもちろんですが、錦織が錦織らしい「ショットメイキング」を駆使して臨めば、負けないと思っています。
錦織には「自分の方が強い!」という気持ちで、しっかり勝ちに行ってもらいたいです。
鬼門だった全仏でフランス人対決を3回も制したんですから、もう怖いものはありません!(笑)
相手はジョコでもラファでもない自分より若手の選手。
現在の自分の立ち位置(BIG4に次ぐ存在であること)を確立してきてください!
Yuriでした。
コメント
>「クレーでありとあらゆることができる錦織」
>「鬼門だった全仏でフランス人対決を3回も制したんですから、もう怖いものはありません!」
に、激しく同意します。
試合はやって見ないと分からないものですが、
私も今の錦織選手はティーム選手にもA・ズベレフ選手(準決勝で当たるかも)であろうと負ける気がしません。
錦織選手の潜在能力がシモン戦で一気に花開いた様な気がしてならないんです。
ここで勝つか負けるかで大違いです。
この試合に勝てたら優勝も夢ではない気がします。頑張って欲しい。
激しい同意ありがとうございます!(笑)
錦織は今年クレーで唯一負けたナダルとジョコビッチにリベンジするためにも、たとえ相手がクレーで強いティームであろうとも負けてはだめです。ティームが強いということと、錦織よりも強いかどうかというのは別問題です。相性的にも錦織優位は変わらないと思っています。クレーで錦織に土をつけられるのはBIG4しか許したくありません。でもそれもそろそろ卒業して頂点を取って欲しいです。
現状のティーム選手に関しては結構引っかかる点が多いと思っています。
まず何故リヨンに参戦したのか?
昨年のジュネーヴに錦織選手も参戦しましたが、あの時は手首の故障でバルセロナを飛ばしマドリードもジョコビッチ戦の前に棄権と絶対的な試合数が少ない理由があったからであり、クレーシーズンをキッチリと参戦しマドリードでは準優勝したティーム選手がわざわざリヨンに参戦したのは自身の調子に自信が持てていないのかなぁって思っています。
もう1つはメンタル面です。
某鼻血ブログでは錦織選手のメンタル面の事が話題に出ますが、むしろティーム選手の方が結構繊細な感じがします。
先述のリヨン参戦にしても、2年連続全仏SFですしローマは初戦敗退にしても今年のクレーも結果は相応に出ている訳ですから、この週を休養に充てデンと大きく構えても良い筈なのにそれでも参戦したのは、彼の持つ「繊細さ」なのかなぁって思っています。
「クレーなら有利」という旨の発言もどういう意図かは不明ですが、どこか弱気な発言にも捉えられるんですよねぇ。
今日の試合、錦織選手が勝ったら今後の「上下関係」が構築出来るかなって思っているので是が非でも勝って欲しいですね!
リヨンに参戦したのは、ローマで初戦敗退したからだと思います。自信をつけて全仏に入りたかったんでしょうね。優勝したので自信は付いたと思いますが、体力面ではそれなりに厳しいと思います。やはりこれだけ試合をこなさないと不安を感じるのであれば、メンタル面では繊細・・・というのはあながち間違ってはいないと思います。でもそれを言ったら錦織も同じかもw。
でも、今の錦織には守るものはないと思うので、思いっきり自分のテニスをして楽しんで、その上で勝ってもらいたいですね。怪我フリーの錦織がどれだけ強いのか、久しぶりに見せつけてもらいたいです。(シモン戦でも見たけどね)
>スピン系の重たいポールを片手バックハンドで打ってくる
ポールになってます(コッソリ
ベースライン上に張り付いて、後ろに下げられないようにしたいですね。
aoiさんの予告通りになることを期待してます。
ぴよさん、ありがとうございます。直しました。
aoiさんの予告を信じましょうw。
「ケイはまさにニンジャだね。素早くて、どこに打っても、すぐにボールが返ってくるんだ。しかも、前後左右に自由自在さ。もう、お手上げだよ。」
記者会見 ティーム談(予告)
そういう記者会見を激しく希望します!(笑)