錦織の初戦は初日の日曜日でした。
しっかりストレートで勝ち切って、次の2回戦は水曜日に行われる予定です。
錦織の1回戦の様子はこちらの記事で。
その錦織の2回戦の対戦相手が決まりました。
フランスのブノア・ペールです。
まあ予想通りでしたね。
ではここでペールと錦織の今までの対戦について振り返ります。
錦織とブノア・ペールの因縁
ペールという選手
ブノア・ペール(Benoit Paire) 29才 51位
フランスの選手なので、リアルな発音は日本語では書きにくいです。ブノアはそのままですが、フランス語のRの発音が独特なので、ペールの”ル”の部分はルとヴとグが合わさったような音になります。(一応、大学でフランス語を第2言語で取っていたので多少の知識はあります)
でも表記するならペールが一番近いですね。
錦織は選手名を英語読みする癖があるので、ペールをペアと言ったり、ヒラルドをギラルドと言ったりしていますが、誰か教えてあげてください。(でも審判も英語読みする人がけっこういるのでしょうがないか・・)
先日も1回戦の後のWOWOWのブースでのインタビューで、フランス人のダバディさんを含む全員が「ペール」と言っているにもかかわらず、錦織だけが「ペア」と言ってるのがすごく違和感ありました。(ほんとに人の話聞いてないのか?と思うくらいw。まあ、そこも錦織の魅力ですけどね)
ペールのプレースタイルは変わっています(個人的な意見ですが)。
とにかくバックハンドとドロップショットがめちゃくちゃ上手いです。サーブも強烈。その代わり、フォアがダメダメでした。
でも、昨日の1回戦を見ていたら思ったほどフォアに穴がなくなっていたので、侮ってはいけないと思います。
やはり予想通りペールが来ました!
バックハンドとドロップショットは相変わらず要注意です。
フォアも以前ほど下手じゃない気がする。錦織は走らされる覚悟をしつつ、しっかり戦略を練って欲しい。🙏
— Yuri (@yuri_lovesiames) 2018年5月28日
ビッグサーブと強力なショット(特にバック)で下がっていると突然くるドロップショット。本当にいやらしいです。これがまた上手いんですよね。
錦織も何回やられたか・・・。
で、更には突然キレてラケットを破壊したり、ふてくされたり、ベンチに戻らずコーラ飲んでたりw・・と、もう何をするのか本当にわからない選手です。
その気性ゆえか、怪我の影響なのか?ランキングも安定せず、現在51位にいます。
で、どうした!??その頭!!
本当に色々やりますね、ペール・・・。
錦織 VS ペール(2013全仏)
そのペールですが、錦織ファンならいやというほど思い出がありますよね。
記憶にあるのは、2013年の全仏オープン3回戦での対決です。
錦織が15位、ペールが24位、二人とも売り出し中の若手(23歳と24歳かな?)という立ち位置でした。
結果は錦織が3-1で勝利し、4回戦でナダルと当たって敗退したのですが、とにかく色々物議をかもした試合でした。
第1セットを錦織が難なく取った後の第2セットで、自分のプレーにイラついたペールがラケット破壊(リードしててもそれをやる意味がよくわからないペールw)。その後陣営からのコーチングで警告を受けてポイントを落とします。
このごたごたで、フランスの観客がブーイングの嵐に!
錦織がサーブを打とうとしてもブーイング、何をしようとしてもブーイングで、騒然となりました。怖っ!
ただ、完全アウェーではありましたが、観客は錦織にブーイングをしていたわけではなく、試合の流れそのものにブーイングしていたように思います。
一番記憶に残っているのが、そのブーイングのさなか試合を続けようとサーブのモーションに入った錦織が、更にブーイングでサーブが打てなくなった時に「F○○・・・k!!」と叫んだことでした(笑)。
ええ、言っちゃいけない言葉ですけどね。マレーもよくタオルで口を隠して同じ言葉を叫んでます。
その後、ようやく観客が静まり試合は開始されましたが、その影響を受けたのか錦織はそのセットを落としてしまいます。観客は大喜びです。
それで波に乗るのかと思われたペールでしたが、結局その後は錦織が落ち着いて2セット連取して試合終了。
大変な試合でした。よくあれで集中力が切れなかったと錦織に感心したものです。何度も何度も繰り返されるドロップショットも、すべて対応して走りまくって拾いまくったことも、ペールにペースをつかませなかった要因だったかもしれません。
悪夢の2015全米
前年の2014年の全米で、日本中を歓喜の渦に巻き込んだ錦織の決勝進出→準優勝から1年後、錦織は当時ランキングは4位!
第4シードで全米に入りました。
今年こそは優勝だ!とメディアもファンも意気込みましたが、なんと1回戦で対戦したペールにフルセットで敗退してしまいました。
相変わらず独り言やラケット破壊?(よく覚えてないけど、ラケットが1本しかないとかでなんか文句を言っていた気がします。)で超マイペースなペールでしたが、私の印象としては、「勝てる試合を落とした。」でした。
記憶にあるのは、スロースターターの錦織が第2セットから調子を上げてそのまま勝つかと思っているうちに、急に失速し始めてタイブレでつかんだマッチポイントを落とし、あっという間に終わったということです。
気になったのは終始元気がなく、イラついてFワードをつぶやき、楽しくなさそうにプレーする錦織の姿でした。
修造さんが壊れたラジオのように、ネガティブ解説をしまくることに更に気持ちが落ち込んだことを覚えています。(ごめんなさい、修造さん。悪気はありませんw)
試合後のインタビューでも「集中力を欠いた。」と答え、記者から「TOP選手がそんなことあるのか?」と突っ込まれたようで(何と返事したかはわかりません)、何とも言い難い敗戦でした。
これをペールショックと呼んでいます。
呆然としてしばらく立ち直れませんでした。
2015楽天オープン
そのショックも冷めやらぬ、同年の楽天オープンの準決勝で二人は対戦することになります。
全米でのリベンジを願う全ての人が目にした第1セットは、まさにフローレス✨。6-1であっという間にセットアップしました。
これは行けるぞ!と意気込んだのもつかの間、第2セット途中から追いつかれ、逆転負けを喫してしまいました。
私はこの試合は仕事中でリアルで見ていなかったのですが、スコアを確認して呆然自失。仕事中も気もそぞろでした。
結局、最終セットは焦って攻め急ぎ、ミスを連発して負け・・・という、錦織の良くないパターンだったように思います。
もちろん、ペール自体も良いプレーをしたのは事実です。それでも錦織が落ち着いて焦らず、対処すれば十分勝てる試合だったように思えてなりませんでした。
2015年の全米も楽天も、私が見る限りは「勝てた試合」であるにもかかわらず、ミスで自滅・・・のように感じました。どこか、ペールに対して苦手意識というかマイナスイメージを持っていたようにも思えました。
2016バルセロナ
そんな連敗を払拭してくれたのが、やはりクレーコートでの対決でした。
錦織はやっぱり、クレーコートでは強いですね。
またもや準決勝で当たった両者でしたが、今度はハードコートとは違い、ペールのビックショットも、いやらしいドロップショットも、錦織が追い付いて反撃できます。
球足が遅くなるため、ペールの攻撃を全て返して、こちらから振っていくこともできます。
結局錦織がストレートで圧勝して、決勝に進出。
3年連続の決勝進出で3年連続の優勝をかけて戦いましたが、クレーのナダルの壁を崩せず準優勝でした。
2回戦 錦織 VS ペール プレビュー
予想は錦織の3-1で勝利です。
希望はストレートです。
あのペール相手にストレートは厳しい気がするので、1セットくらいは取られてもしょうがないです。
鍵になるのは、錦織はペールのバックに球を集め過ぎないことと、ドロップショットは常に警戒しつつ序盤は全部拾いに行くことです。
大事なのは、
ペールを調子に乗せない事!!
これにつきます。
会見でペールは「錦織相手に色々やらないといけない。」と語っていたように、色々やってくるでしょう。(髪の色を変えたりw)
ラケット投げたり、叫んだり、やる気なさそうに見せたり、ベンチで寝てしまったり・・・と彼はいつもやりたい放題です。
そんな中、鋭いショットを放ってきたりする集中力を維持してたりします。ちょっとその辺りはフォニー二っぽいですね。
錦織はそんな彼の作戦にハマってしまってはいけません。彼はフルセットになってもあきらめはしません。
錦織は絶対に焦らない事。
どんなにペールが曲者ぶりを発揮しようと、良いプレーをしようと、
クレーでは明らかに錦織の方が上です!
自分の時間を使って、ペールを揺さぶり、気持ちよく打たせないようにして欲しいです。
錦織が、錦織らしいプレーをすれば普通に勝てると思います。
それだけを願いたいです。
錦織以外の2回戦の見どころは、次の記事で書きたいと思います。
→書きました。
Yuriでした。
追記:
LIVETENNISのプレビューが上がっていたので一部訳しました。(意訳はご容赦ください)
モンテカルロでは元TOP10のベルディヒと現TOP10のチリッチとズベレフをも倒し、No.1のナダルに決勝で敗れた。その後のバルセロナは怪我で棄権し、マドリッドでは運悪く復調してきたジョコビッチと1回戦で戦う羽目になった。
ローマでは更に安定してフェリロペ、ディミトロフ、コールシュライバーを倒し、スリリングなフルセットマッチでジョコビッチに負けはしたが、錦織が帰ってきたと十分信じられる試合だった。肉体的にも万全で、どちらのサイドからも自由に打ち分ける天才的なショットメイキングは、純粋に息をのむほど素晴らしかった!
錦織はペールほどサーブは良くないが、簡単に両サイドからショットの軌道を変えることのできる能力を持った、ペールよりももっとバランスの取れた選手だ。ペールが自分の空間を正しく使えば、錦織にとってはタフな2回戦になるだろう。でも錦織の類まれなるタフネスさ、集中力、ダイナミックな打撃が水曜日に彼に勝利をもたらすだろう。
ーLIVETENNIS記事より一部抜粋
コメント
仏レキップ誌の記事の和訳ツイートされている方(yuriさまもご存知かもしれませんね)の記事でペール選手関連の記事も目にするのですが、現在は背中の故障と付き合いながらのプレーを強いられている感じが有る様です。
それが原因かは不明ですが1回戦は全知全能をかけて勝利すなわちptを狙いに行き、2回戦以降は力をセーブまではいかないまでも1回戦程の力は入れていない(入れると壊れるリスクが有る)印象が有ります。西岡選手は先のドバイ500の1回戦でそれをやられたんですよねぇ・・・(>人<;)
そう考えると第1セットで差をつけるとガクッと来て結構ワンサイドになる反面、先取されるかもしくは接戦などで相手に希望を持たれると厄介かなって思っています。
ペールは確かに厄介な相手ですが、クレーで錦織が彼に負けることは考えにくいです。というかあっちゃいけないと(個人的には)思っています。
団長が書かれているように、持っている力は本格派だと思いますが、それを完全に発揮できていない選手でもあります。決して侮れる相手ではありませんが、クレーでの対決である限り、錦織の対応力の高さ、引き出しの多さ、最近のメンタルの安定性を考えれば負けるはずがないと思っています。
逆にペールにここで負けるようなら、錦織はまだまだだということになる気がします。MSやGSのタイトルを取る気なら負けてはいけない相手だと思います。
とにかく応援しましょう!
「いやぁ、何をやってもケイには通用しなかったよ。彼こそがスーパーサイヤ人さ。強すぎだね。ケイが優勝間違いなしさ。」
記者会見でのペール談(予告)
ナイス!(妄想&予告w)
私も1回戦の錦織とこれまでのクレーでの試合を考えれば、ペールに負けることは考えていません。
本当に嫌な相手です。錦織選手本人よりファンである私が「嫌な相手」と感じてしまう。もちろん錦織選手以外との対戦時のペール氏はなかなか面白くもあるんですが、錦織選手との対戦はやっぱり「嫌」です。
2015年の2試合の悪夢がどうしても忘れられません。どちらかというと錦織選手の自滅だったことも承知していますが、自滅させられた感じがするのです。
彼の変なペースに巻き込まれてしまって、気がついたらミス連発、という感じ。そういう意味では意図的かどうかはさておいて、ペール選手は「錦織選手の集中力を削ぎ、テニス脳を麻痺させる技術」を持っていると思えてなりません。錦織選手自身も少しはそう感じているような気がします。
(「ペールが来たら・・」という発言は彼がペール選手を「厄介な相手」と感じているということだと思います。)
「錦織相手に色々やらないといけない。」というセリフが不気味です。
でも、全開の全仏対戦はペールマジックに惑わされず勝利していますし、
クレーでは絶対に錦織選手の方が実力は上ですから、心配することないと思っています。それに今の錦織選手は怪我から復帰して挑戦者の気持ちで挑んでいいて、以前のようなプレッシャーが掛かる状況にはないですね。
きっと「試合を楽しもう」という気持ちでいると思います。
私も嫌です~。でも錦織が今後本当に大きなタイトルを取ろうと思うのであれば、もう負けてはいけない相手だと思います。
実際、今年のクレーではジョコビッチとナダルにしか実質負けていないので、錦織のクレーでの強さは際立っていると思います。できればペールを圧倒して勝ってくれることを期待しつつ、でも勝ちさえすればいいです。楽しみながら、しっかり勝って欲しいですね。
ペールショック……まさに‼️
ですよね!w
でも明日はそうはいかないぞ!っと。