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小学生の英検取得・・・どこまで本当に必要?

英語学習
geralt / Pixabay
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こんにちは、英会話スクール講師のYuriです。

以前、

遅れてるなんてもんじゃない。日本の英語教育、ここが変!その①
こんにちは。英会話講師のYuriです。 実は私、日本の英語教育にと~っても憤ってます。 皆さんは、自分のお子さんが小学校や、中学校でどんな英語の授業を受けているかご存知ですか?更には、中学校でどんなテキストを使っているかご存知でしょうか? ...

という記事の中で、

日本の英語教育のダメっぷりを書きましたが、

 

今回は、そんな日本の英語教育に振り回されて、最近ちょっと過熱気味になっているように見える、小学生の英検の取得について、私の考えを書いていきたいと思います。

 

*ちなみに英会話習得に関して言うと、子供や大人の初級者であれば、”All English” よりもできれば複雑な文法部分やニュアンスは日本語で説明できるバイリンガルの先生に

”Almost All English”(ほとんど英語、80%英語で、20%くらいの日本語の補助)

で習う方が理解が早くて、結果的には上達が早いと思います。

もちろん All English がダメなわけではありませんが、 ”現在完了形” や ”仮定法” の説明を英語でされることを想像してみてください。日本語でも説明が難しいのに、頭痛くなりそうですよね?(笑)。

中級者(英検2級以上、あるいはTOEIC600~)以上であれば、説明よりも慣れが必要だと思うので、ネイティブでもバイリンガルでもどちらでもOKだと思います。

 

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小学生の英検取得

最近特にスクールにいらっしゃる生徒さんを見ていて思うことがあります。

それは、本来の目的から離れて、資格を取ることに目標を置き過ぎている場合が多々あるということです。

 

お子さんであれば、英検を取らせることに親御さんが夢中になり、

本来の目的である

「英語を話せるようになること」

「英語を使えるようにすること」

を忘れてしまってるように見えることがあります。

小学生の英検取得の現状

先日、私が教えている生徒の一人で、小学4年生で英検3級に合格した子がいました。

ご両親はもちろん、本人もとても向上心のあるお子さんですが、私を含むスタッフが

「おめでとう~✨良かったね!」と声をかけたその直後に、

親御さんが

「じゃあ次は準2級を・・・」

とおっしゃられました。

 

親御さんの「我が子を高みに引き上げよう!」と思う強い気持ちはわかりますが、英語の習得には、最適な順序とタイミングがあります。

そのため私は、

「3級と準2級はレベルにかなり差がありますし、あまり英検取得にばかり目が向くと、英語を話せるようになるという目標から離れていってしまうので、急がない方が良いですよ。あまりお子さんを追い込まないであげてくださいね。目的は英検じゃなくて、英会話ですよね?」

と、親御さんにお話をさせていただきました。

*スクールとしては、英検対策コースもあるので、そちらに誘導したいところなんでしょうけど、私は講師として、生徒さんにとって一番適切だと思うことを提案していきたいと思っています。

 

例えば、「難しい英語の論文を読めるようにする」とかが目的であれば、英検取得を目標にしても良いでしょう。

でも、英会話スクールに通わせているということは、

「英会話ができるようになること」が一番の目的だと思います。

 

それが、自分のお子さん(特に小学生)が少し英語ができるようになり、「英検」や「TOEIC」という、目に見えるわかりやすい形の資格試験に合格するようになると、途端に目標がずれてしまうことがあります。

 

ありがちなのは、親御さんが他のお子さんと比べて競争モードに入ってしまうことです。

「同じクラスの子が英検2級取ったんです、うちの子も取れるでしょうか?」とか、

「小学生のうちに・・・」とか、

目標が英会話習得から英検合格にすり替わってしまい、本末転倒になるケースが多々あります。

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本当にその英検必要ですか?

ちょっと辛口になりますが、

小学生のうちに英検で高い級(準2級や2級~)を取ることは、一部の特殊なケースを除いては、あまり意味はない、と私は思っています。

*特殊なケースというのは、「中学から海外に留学させようと思っている」というような場合を言います。

なぜなら、例えば準2級であれば、中学3年になり高校受験で上位校(偏差値60~)を狙って頑張っている生徒なら、全く英会話スクールに通った経験がなくても合格するからです。

また、たとえ小学生で英検の準2級や2級に合格しても、その学力を大人になるまでキープできる保証はどこにもありません。

使う機会がなければ、あっという間に覚えた単語は忘れていってしまいます。

今まで、小学生の低学年で2級に合格したとか、いろいろな話は知っていますが、そのほとんどのお子さんが、中学、高校になって後から普通に勉強してきた子に抜かされてしまったり、あるいは、自我に目覚めて英語に興味を無くしてしまったりというケースを多々見ています。

 

英語は単なる一つの言語にすぎません。

あくまでも将来の仕事や趣味に必要な道具でしかないんです。

通訳者になりたいとか、翻訳者になりたいというなら話は別だと思いますが、そういうわけではないですよね?

思い出してみてください。最初の目的は何だったでしょうか?

「英会話ができるようになること」

だったんじゃないでしょうか?

英検に合格しても英会話はできない

日本の英語教育は、前述の記事に書いたように、かなり迷走しています。

最近になって、英検も少し仕様が変わってきて、スピーキングのテストが組み込まれたりしていますが、それでも根本的には読み書きに特化している試験です。

それ自体は問題ありません。そういう試験なんです。

それを理解した上で、

現時点で英検取得は英会話にはつながらない

ということを頭にとどめておくべきでしょう。

もちろん取得することは悪いことではありません。

英会話の習得を目指しているなら、それを目標にしない方が良いという話です。

特に子供の場合は、ですね。

大人も同じ

でも実はこれは、大人がTOEICで高得点を目指している場合にも同じことが言えます。

TOEICで800点、900点を取る人でも、全く会話はできないという人は大勢います。

こちらも最近はS&Wという、スピーキングとライティングに絞った試験を始めているので、そちらの方が実用的だと思います。

いまだに、企業がTOEICの点数を重視するのも疑問です。

もちろんTOEICも700点以上あれば、それなりに使えるレベルにはあると思いますが、それも個人差があります。

TOEICの高得点が、就職や転職に有利なのは事実だと思いますが、やはり面と向かって会話ができること、仕事でやり取りができることが大事なのではないでしょうか?

そのためには、やはり話すためのトレーニングが必要になります。

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私なりの結論

目的が「英会話を習得すること」であったならば、

その目的に沿った勉強が必要になります。

 

特に吸収力が高く、音に敏感で、好奇心旺盛な小学生のうちは、英検に合格するための「勉強」ではなく、しっかりとした英会話ができるようになるためのリスニングとスピーキングに特化したトレーニングが必要だと思います。

 

そのためには、お子さんが小学生であれば目指す英検はせいぜい3級までにして、

その3級に出てくる英語を話すことができるかどうか?

ということにフォーカスすべきだと思います。

 

日本人が英語ができないという人がいますが、それは違うと思います。

日本人の英語の読み書きのレベルは十分に高いと思います。

その半面、たとえセンターや入学試験で満点をとり、英検の準1級を取って東大に入った人でも、全く英会話はできないという話はよく聞きます。

当然です。

なぜなら、話す訓練をしていないからです。

 

日本人は英語ができないのではありません。

英会話のトレーニングが圧倒的に足りないだけです。

 

そんな日本人が、日本にいながら英会話を習得するためには何が必要なのか?

どんなトレーニングが必要なのか?

ということについては、こちらの記事で書いています。

留学せずに英会話を習得するには①(小学生~高校生)
Yuriです。 前回、英会話を習得するのに資格試験にこだわり過ぎない方が良いと言いましたが、 では、どうやって、国内にいながら英会話をマスターすればよいのか? ということについて、 留学経験一切なし、海外旅行もほとんどしたことがないにもかか...

 

Yuriでした。

コメント

  1. Xiaohan より:

    はじめまして。
    自宅で小学生の娘の友達に英語をほそぼそと教えてるものです。
    こういう記事を探してました!
    わたしの周りでも英検受験の話を聞くようになりましたが、わたしのまわりの英会話の先生も親が受けさせたがってる、と困り顔なのです。
    わたしも全く同感で、英語が好きならまだしも、結果のために英語を勉強して、英語嫌いにならないのか心配してます。
    現にうちの娘に英検受けてみるか、と話しても、ぜったい嫌!の一点張りです。
    ネットで「こども、英検」と検索しても必要だ、受けるべきだ、の記事しか上がってきません。日本は一体どうしたんでしょうか?
    世界に通じる英語力を身に付けさせたいという気持ちはわかりますが、英語にはやい時期につまずく子供が増えそうと思わずにはいられません。

    長々と語ってしまいすみません。

    • yuri より:

      Xiaohanさん、コメントありがとうございます。
      共感して頂けて良かったです。英語は基本的「ツール」ですし「英会話をペラペラに!」ということを目指しているわけでもなければ、現段階では「日本の入試のため」程度のものです。それも高校入試か大学入試。子供が自ら興味を持っていないのであれば、無理に取らせる必要はないと思いますし、取った後も勉強し続けなければどうせ忘れてしまいます。そんな子もいっぱい見てきました。小学生の場合は親の自己満足の場合がほとんどですね。英検は中学生なら準2級、高校生なら2級くらいは必要に駆られて本気で勉強すれば取れる資格です。それより子供には英会話ができて、他国の人とコミュニケーションがとれる喜びや楽しさの方を教えてあげたいものですね。そうすれば自然に「もっと話したいから勉強する!」とモチベーションが勝手に上がる可能性が高いです。英語力をつけたくても語る中身がないと意味がないので、結局は総合的に色々なことを勉強して自分が何に興味を持つかによりますよね。子供ならいっぱい本を読むとか、知識や好奇心を身につけるとかの方が良いと思うんですけどね。英検なんてもっと先で十分です(笑)。

  2. ROM より:

    帰国子女の経験から言わせて頂ければ、喋らなければ言葉は出てきません。英検取ろうがTOEICで高得点取ろうが英会話の上達には関係なし。実践あるのみ。私は外に出かけると時間が許せば地図を開いて途方にくれてる旅行者に話しかけるおせっかいなおばちゃんと化してますw。子供達にも勧めてます。帰国子女だって喋らないと全く言葉が出てこなくなります!

    • yuri より:

      本当にそうですよね~。
      留学経験のない私なんか、1週間英語喋らなかったらとたんに口が動かなくなります。
      今は職場のネイティブと空いてる時間にくだらない話で盛り上がったりして、
      おしゃべりをすることで、かなり英語力のキープに役立っています。
      日本にいながら、気軽に英語を話せる環境を早く整備して欲しいですよね。
      その意味では、家から出ずに実践できるオンラインスクールはとても良いと思います。

      • ROM より:

        以前子供達の小学校の英語教育で私が意義を唱えたのはローマ字!
        しかも外来語をローマ字で書かせるという子供達の英語教育には害悪にしかならないことを平然とさせていることに怒りしか覚えませんでした。わかりますか?ライオンを「raion」、バスを「basu」と書かせる無意味さ。せめて固有名詞だけにすべきと担任の先生に文句を言ったら「教育指導要領に沿ってやってますので」で終了。今は改善されたのかしら?

        • ROM より:

          もとい!ローマ字教育は英語教育とは違いましたね。あれは国語の範疇?

        • yuri より:

          ヘボン式ってやつですよね。
          古い歴史があるので、中々変わらないようです。
          「教育指導要領」自体がしょうもないですし。

          その上、日本は外来語も多いし、
          かな、漢字、カタカナと3種類もあって複雑です。

          ローマ字の弊害はともかく、
          英語教育をきちんともっと早期に始めれば解決すると私は思っています。

          • ROM より:

            ちなみに私は教育受けてないのでヘボン式全くわかりません笑。
            イギリスで私が通っていた小学校では三年生相当学年からフランス語の授業がありました。もちろん教師はフランス人。

          • yuri より:

            私もそれが(小学3年からネイティブでしっかり授業)一番いいと思う。
            日本は結局、頭の固い古い考えの政治家が、牛耳っていて
            全てが保守的なんだと思います。
            いまだに女性蔑視が根底にあるしね。
            クイーンがいて、サッチャーさんやメイ首相がいるようなイギリスと比べたら、
            はるかにそういう意味では遅れてる国だと思います。

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